9より時間を少しさかのぼる
ああ、今日も恐怖の肉売りバイトか。あの大きなデパート内での肉の専門店。
何で採用しちゃうのかな?この肉屋の面接の人。
そう感じながら朝の仕事の後、よく寝て、あくびしながら肉屋へ。
毎度、緊張。だってさあ、お客を前に売り子だぞ。それが下手だったので、面前売りに。レジは逃げた。
ある程度なれたこと・・・
「クリスマスの飾りつけ、いっしょにやらない」
とメガネの少し太った娘が言ってきた。俺は心中怖いし、女性慣れしていなかった。
またある事情でクリスマスはキャンセルだったので、
「ごめん。できない」
と逃げた。
その娘は気丈な娘で、ふられたのに森の熊さん♪を歌いながら耐えた。
このバイトを止めた後で、何回も出てくる回想だ。
あの時でなければ、俺はOkしただろうに。
そんな残念なバイトで逆ナンパされた体験だった。
ごめんなさい。メガネのきさくな娘よ。